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緑茶効果高まる期待 動脈硬化予防やウエスト減少

緑茶効果高まる期待 動脈硬化予防やウエスト減少 

(2011年11月17日) 【中日新聞】【朝刊】【静岡】

共同研究「掛川スタディー」 来年度以降も継続

 緑茶が生活習慣病を改善させる効果があることを科学的に立証するため、全国茶品評会で7年連続の産地賞に輝いた静岡県掛川市が進める共同研究「掛川スタディー」。原発事故の風評被害や、茶価の低迷などを乗り越えて、世界をマーケットにした茶業振興を図るために、その成果への期待が高まる。本年度が3年計画の最終年だが、研究総括者の栗山進一・東北大教授らは来年度以降も研究を継続、深化させていく予定だ。 (佐野太郎)

 農林水産省の委託事業として2009年度から、同市と東北大、野菜茶業研究所(島田市)によって始まり、その後、九州大も加わって4つの研究が進められてきた。

 このうち、今年1月にNHKの生活情報番組「ためしてガッテン」で、「お茶! がん死亡率激減!? 超健康パワーの裏ワザ」と題して放映され、掛川産の深蒸し茶の人気を全国レベルに押し上げたのが、研究の1つ「緑茶介入試験」だった。

 掛川市立総合病院医監で、同市緑茶予防医学・健康科学研究所の鮫島庸一所長が30〜70歳代の150人余を、べにふうき茶粉末、やぶきた茶粉末、偽粉末を飲む3グループに分類。09年9〜12月の12週間、それぞれ毎日2グラムずつ飲み続けてもらい、血中の「悪玉」LDL、「善玉」HDLの各コレステロール値、ウエストサイズの変化などを見た。

グラフ

 その結果、べにふうき茶の摂取は、LDLの減少とHDLの上昇に関連、やぶきた茶の摂取は、LDLの減少とウエストの減少に関連していることが分かり、両方とも動脈硬化の予防に役立つ可能性が示された。

 今年1月の日本疫学学会で発表、注目を集め、前出の番組で取り上げられることになった。鮫島所長は「医療費が膨れ上がり、財政難に拍車を掛けている。医療は『治療』から『予防』へのシフトが求められていて、その意味で掛川スタディーは意義深い」と話す。

 このほかにも(1)緑茶の血清疫学的コホート(集団観察)(2)緑茶の形態による吸収への影響解析(3)緑茶カテキン感知機能と解毒機能に対する緑茶摂取の影響分析−といった研究が進められている。

 (1)は、栗山教授が担当。30歳以上の市民を対象に緑茶を飲む習慣などについてアンケートした上で、3年間で1500人以上から採血し、カテキン摂取量と血糖、LDLコレステロール値などとの関連や、動脈硬化を防ぐ作用のある緑茶成分などを長期的に検証している。

 (2)は、野菜茶業研究所の山本万里・研究グループ長が、緑茶をいれる温度・時間や、粉末の粒度、ゆっくり飲みや一気飲みなど飲み方、同時に摂取する成分の違いでカテキン類の吸収がどう変わるかなどを解析している。

 (3)は、九州大の立花宏文准教授がコホート研究や介入試験で採取した血液検体を分析し、カテキン類を効率よく吸収するには、どのような生活習慣がよいかを調べている。

緑茶介入試験で、採血に協力する市民ら=掛川市で

 いずれも5〜10年をかけて結論を得る研究で、特にコホート研究は数万人規模の検査が理想とされる。松井三郎市長は先の市議会で「県全域での実施も視野に入れ、国や県、関係機関と協議する」と研究を継続させる考えを示した。

 栗山教授は「介入試験をはじめ、よい成果が出ているが3年間は助走期間。これから本格的な研究が始まり、最終的に緑茶の効能があらゆる点から科学的に証明されれば、間違いなく世界から注目されるだろう」と期待を込める。